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1427か1428年8月26日に、イギリスの教皇特使ヘンリー・ボーフォートがリューベック市へ援助を要請した手紙。
(第五次対フス十字軍に対するリューベックへの支援要請)

 イギリスからの枢機卿にしてローマ教皇の特使ヘンリーより、優れて名高き人々よ、市民の支配者にしてリューベック市の全共同体の執政官達よ、キリストの名において我らの信じる友人達よ。優れて名高き人々よ、我らの信じる友人達よ。今後、フスの異端者達は諸君の正義において許す事はできない。フスの異端者達は平然とではないにしても破壊されなければならない。忌まわしき行為を日ごとに増している最も不実な異端者達は単に聖なる教会の最も忌まわしき敵であるだけでなく、世界的な政治構造の腐敗を試みているのだ。神は知っておられる。我々が如何に彼らの絶滅の為に尽力し、如何に熱心にその方法を考え出そうとしたか。たとえ、人類の熟慮が有益な事だと判明しなくても。我らの罪がそれを要求する。我々は次の夏にベーメンへ進入する事を直ちに決める。異端の恥の為に、全ての可能な方法や手段で前述の異端者達を神の慈悲の守護の下にカトリック諸候と諸君と他の教会の誠実なる子らの支援を合わせて攻撃する。イギリス弓兵がこの遠征で他の諸国の中に現れるだろう。この決定の為にそれが証明される必要があり、それは直ぐにも公表されるだろう。それ以降、我々は弓が無くなる事を恐れる。我々のイギリス弓兵の一つは弓の使用に最高の能力と経験がある。我らの部隊の努力たる背後の力が準備されるだろう。我々はプロシアへ書き送った。我々は派遣を決定し我らの偉大な友人、プロシアのドイツ騎士修道会総長に、二隻の船が木と弓を作る為の材料を積みロンドンの港へ向けて遅滞なく航行ができるようにと使いを出した。我々は諸君の寄付を懇願するが、そうだろうと、ローマ教皇の権威により、我々に委ねられた特使の義務を遂行する事により、我々はこの事業の過程で前述の船に乗り込む水夫や指揮官を原因とする根拠なき暴力や許されない暴力を厳しく統制する。なぜなら我々は彼らの支援に伴う誠実ある協力を求めているのだから。我々は諸君が隠していないであろう諸君と他の党派との間で重荷となっている幾つかの闘争の為に妨げられている或いは引き起こされた苦情の処理をも行う。この地域において必要なら、諸君が誠実なる理由を持つ誠実な協力者、このような人々の主張として認められる事を望むのなら、諸君は前述の船やそれらの指揮官の為に安全と保証を与えるべきである。キリストの良き世界と繁栄はこれらの人々の防衛にかかっている。キリストの名において諸君は常に成功を収めるだろう。カレーにおいて我が印の下に8月26日。

注.
 「Thomas Fudge編 The Crusade against Heretics in Bohemia ASHGATE 2002年」241から242頁の英語より翻訳。


1429年6月1日に、イギリスの教皇特使ヘンリー・ボーフォートがリューベック市へ、デンマーク王との戦争を止めて対フス十字軍へ参加するように要請した手紙
(第五次対フス十字軍に対するリューベックへの支援要請)

 名高き人々よ、リューベック市の市民及び共同体、そしてハンザの他の都市の支配者にして我らの最も親愛なる友人達よ。優れた人々にして最も親愛なる友人達よ。近頃キリスト教徒は多くの災害に囲まれている。多くのキリスト教徒が平和を熱望する中、信頼や教会よりも病的な分裂や党派争いが続いている事に我々は無関心である。内戦に参加している者達は非常に弱く、異端者を撃破するにはあまりに人数が少ないだけでなく勇気に欠け、信頼できずに、広範囲に及ぶ土地を略奪されていた。彼らは本当に取るに足りない馬鹿なことに手を貸している。以前は只一人の公が率いるカトリックの巨大な軍が、高潔で好戦的な面もちで巨大な敵に大胆な攻撃をかけていたはず。そしてこの公は最も高き徳の中での勝利に手慣れていた。しかし今、我らが諸候の無信心や、戦争経験の欠如が原因となっている弱さの為に、キリスト教徒の人々は柔弱だ。この弱さの結果として異端者、特にベーメンの異端者に対して帝国やキリスト教王国の近隣の全部隊が結集した時に、彼らは踏み留まることができずに悲嘆に暮れた。フス派は貴族でもなく軍事的能力があるわけでもなく、堕落の為に戦う弱体な無頼の輩で、信仰だけでなく、人類共同体全てを拒否しているのだ。故に、我々が言及した痛ましい戦争は最も穏やかな公や、ハンガリー王等の間でも、諸君と共にある他の幾つかの都市でも盛んに行われ、最も献身的なキリスト教徒が異端に対して大規模な軍を起こして異端を打ち倒す事を妨害する障害となっている。以後、このような者達が戦いから手を引かないののなら、疑いなく全能なる主を怒らせ、続いて諸君は怠惰から戦いを引き延ばし、キリスト教の崩壊をわざと引き起こすこととなり、非難と醜言の的となる。
 我々は諸君の愛情を伴った友愛にイエス・キリストの体にかけて答える。諸君は前述の王(おそらくデンマーク王の事)と王の臣下が適切に平和理に合意を見ることを望むだろう。我々はこう答える。諸君は全能なる神と正統なる信仰を褒め称えつつ、平和を築き、それを不滅とする。もし、言われている王(おそらくデンマーク王の事)や他のキリスト教徒の諸候や諸君の諸都市が異端に対して連帯できれば疑いなく、異端者達はキリスト教徒の分裂の終わりと、奴らの更なる抵抗の決意を撃ち破られるところを見るだろう。必要なら、我々はこの件に関して喜んで主導する。もし我らが妨害されたとしたら、フランス王とイギリス王の交渉や、この件に関する我が王の心配事等、これらの件を落ち着かせて平和をもたらす十分な努力が行えなくなり、我らは痛ましい話をする事になる。しかし、これらの王国が平和になり、最高の許しをもたらせば、神の祝福を通してあらゆる努力でもって前述のベーメンの異端者を撲滅する為のカトリック教徒軍を結集させる事が可能となるだろう。最高を知りそこに達するべく全世界はいかな辛さが精神にもたらされたのかに気づき、我らが誠実さをどれほど保ち、近頃も聞き及ぶ強情な異端の異常で前例のない苦しみを被ったとこか。この目的のために、キリストの下に我らが信じる兄弟ヨハネス・ウィニペニュング、神聖なる神学者にして、この手紙の配達者は諸君の友人達と共に我らの任務と事業について議論することに気を配るだろう。我らは彼に我らが諸君の友人に行うのと同じような最高の信頼を抱いており、諸君もためらわずに彼を信頼して欲しい。名高き人々にして最愛の友人。彼は諸君との友情を長く保ち、友好的な慈悲の中で繁栄させる上で価値ある人物と考えられる。6月の最初の日にカレーにて記す。ヘンリー、イギリスの枢機卿。ローマ教皇の特使。

注.
 「Thomas Fudge編 The Crusade against Heretics in Bohemia ASHGATE 2002年」277から278頁の英語より翻訳。

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