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古代ローマ最初の成文法:十二表法

目次
 a.解説
 b.本文

解説
 紀元前451年に当時法を独占していた貴族に対し、法を明文化すべしとした平民の圧力により、法制定のための十人委員会が作られ、彼等は同年に十表までを成文化した。翌年に更に二表が制定され、十二表法として完成した。この後、十人委員は権力を保とうと試みたが、紀元前449年に権力を失った。十二表法の内、貴族と平民の間での結婚を禁止した十一表は紀元前445年に制定されたカヌレイウス法により廃止された。
 十二表法の原本はブロンズ版に刻まれたもので、紀元前387年のガリア人によるローマ掠奪の際に失われたといわれている。しかし、多くのローマの著作の中に十二表法の引用や説明があり、それらを使い大凡の内容の再構成が現在でも可能である。

参考資料
http://www.csun.edu/~hcfll004/12tables.htmlの前文
「− 西洋古代史料集 東京大学出版会 1987年」122から124頁
「The oxford classical dictionary 3rd edition OXFORD UNIVERSITY PRESS  1996」1565から1566頁

本文
表題はhttp://www.csun.edu/~hcfll004/12tables.htmlより翻訳
本文はhttp://www.fordham.edu/halsall/ancient/12tables.htmlより翻訳
「− 西洋古代史料集 東京大学出版会 1987年」122から124頁参照

第一表 裁判所と裁判のための手続き 第七表 土地の権利
第二表 裁判 第八表 不正行為とその取り扱い(傷害罪)
第三表 負債 第九表 共和国法
第四表 家族に対する父の権利(父権)と相続法 第十表 宗教法
第五表 法律上の保護 第十一表 付則1
第六表 取得物と所有権 第十二表 付則2

第一表
1.
ある者が法務官の前である者を告訴したならば、被告は出頭すべし。被告が出頭しなければ、原告は証拠として証人を呼び、被告を捕らえるべし。
2.
被告が無視するか逃亡したならば、原告は被告を捕えるべし。
3.
病気か老年が障害となるならば、原告は協力者を用意すべし。原告自身が選択しない限り、敷物入り覆い付き馬車を用意する必要はない。
4.
土地保有者の擁護者は土地保有者とすべし−−無産階級の者に関しては、この者の監督者の誰かを擁護者とすべし。
6−9.
訴訟事が同意により収まった時は、法務官はそれを宣言すべし。同意に至らぬならば、昼前にフォルムの集会場で、被告と原告は供述を行うべし。その後で、両者が出席している間、それにつき語り続けるべし。午後、どちらかが出席しない場合、法務官は出席した何者か一人の有利になる様に判決を宣言すべし。両者が出席したら、裁判は日没まで続ける事ができるが、以降は続ける事ができない。

第二表
2.
何者かの証人である者が出頭しなければ三日間、彼の家の前で大声で彼を呼んでよい。

第三表
1.
負債を認めるか、判決を宣言された者はそれを三十日以内に支払うだろう。その後で彼自身の強制略奪が許される。債権者は法務官の前に彼を連れてくるべし。債務者が判決の全てを支払うか、法務官出席の元で誰かが債務者の為に擁護者として口を挟まない限り、債権者は彼を家で受け取り、彼を監禁或いは捕縛して拘禁すべし。債権者は、少なくても6.8キログラム、或いは望むならそれ以上の重さの重りで債務者を拘束すべし。債務者が望むなら、彼は自分の食料を準備してよい。債務者がそれを行わないのなら、債権者は日々、450グラムの食事を債務者に与えなければならない。債権者が望むのなら債務者にそれ以上の量を与えてもよい。
2.
第三の市場の日に債務者の体は債権者達により切り分けられるべし。債権者達が彼らより多く或いは少ない数に切り分けたとしても罪には問われない。
3.
外国人に対する財産の権利はいつまでも合法であるべし。

第四表
1.
恐ろしく醜い子は直ちに殺されるべし。
2.
父が子を三度売却したら、その子は父から自由になるべし。
3.
彼の金銭や財産の配慮への事柄について、彼の意志をまとめ準備した物には拘束力があるべし。彼が相続人を持たずして死亡したならば、最も近い父方の親族が相続すべし。父方の親族を持たぬなら、彼の氏族の構成員が相続すべし。
4.
その者の精神に異常があり、保護者がいないのなら、彼を力で支配し、彼の金銭は彼の父方の親族や氏族の構成員に属するだろう。
5.
父の死から十ヶ月以降に産まれた子は法的に相続人とは認められない。

第五表
1.
女性達はたとえ多数派であろうと保護下に留まるべし。

第六表
1.
ある者が証文や財産譲渡証書を作成した時、彼が正式な宣言をなせば、それは拘束力を持つ。
3.
家やブドウ園の格子棚を建設する際の梁はそれが設置されている所から持ち出してはならない。
5.
家財の時効による所有権取得には一年の所有を完了する必要がある;しかし、地所や建設物の時効による所有権取得は二年である。
6.
夫の手としてこの決まりに従う事を望まない女性が毎年連続して三晩不在であれば、各年の時効による所有権取得は阻害される。

第七表
1.
道は秩序を保つべし。道が舗装されていないのであれば、男は望む所で運転してよい。
9.
隣人の農場の木が風で曲がり汝の農場に越しに傾いたのならば、汝は木を取り除く為の法的行動を行ってよい。
10.
男は他の者の農場に落ちた果物を拾い集めてよい。

第八表
2.
ある者が手足を不具にし、傷つけた相手と和解していないのならば、報復すべし。その者が自由人の骨を手や棒で傷つけたのならば、三百枚の貨幣を罰金と支払うべし。その者が奴隷の骨を傷つけたのならば、百五十枚の貨幣を支払うべし。その者が侮辱の罪にあたるのならば、二十五枚の貨幣を支払うべし。
3.
ある者が夜に盗みに入り殺人を犯したのならば、その者は正当に殺されるべし。
4.
保護者がその者の擁護者に対し詐欺を働いたのならば、その保護者を呪うべし。
5.
ある者が証人として召喚されたが、その者が証言をしないのなら、その者を不誠実であり証人の資格がないと記録すべし。
10.
建物や多量の穀物を貯蔵してある家の側を放火により破壊せし者は拘束され、鞭打たれ、前述の悪辣なる計画的犯罪に与えられる柱で焼き殺されるべし。だが、怠慢による事故ならば、その者は損害を修復するか、その者が貧しくその様な処罰を受ける能力がないならば、処罰は軽減されるべし。
12.
夜間に盗みが行われ、家の主が盗人を殺害したならば、盗人は合法的に殺されたとされるべし。
13.
盗人に対する日中の殺人は非合法である...盗人が武器で自身を守ろうとしたのでない限り。たとえ彼が武器を持って来たとしても、彼が武器を使い、襲ってこない限り、汝は彼を殺してはならない。彼が抵抗し、最初に叫び声を上げ、誰かが聞きつけやって来たとしても、殺してはならない。
23.
偽の証人で罪を与えた事を見つけられた者はタルペイアの石から投げ落とされるべし。 
26.
都市の中で夜に集会を開いてはならない。

第九表
4.
判決の際に賄賂を受け取った罪を見つけられた判事や合法的に指名された仲裁人に対する罰則は資産とすべし。
5.
反逆。共和国の敵は処刑しなければならないので、共和国の敵の目を覚まさせるか、市民に引き渡すべし。
6.
どのような者であれ死を与えられる。たとえ誰であろうと無実の判決は禁止される。

第十表
1.
市内で死体を埋めたり焼いたりしてはならない。
3.
女性は葬式の為に顔を掻いたり、声を上げて泣いてはならない。
5.
ある者が王冠を手に入れたり、家財を名誉や武勇の為に処理したり、王冠を自身や両親の頭に載せたとしても、罪にはならない。

第十一表
1.
平民と貴族の間で結婚をしてはならない。

第十二表
2.
奴隷が盗みや主人の知識の傷を負わせるのに関わったのならば、傷つけた活動は奴隷の名によるものとすべし。
5.
たとえどのような人々が定めようと法による義務は保たれるべし。

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