表紙へ 英仏の闘争へ


エドワード三世の宣戦布告
これぞ、エドワード三世が自らの正当性を主張してフランス王位を請求した、フランス王フィリップに対するの宣戦布告宣言だ!

 エドワード、神の恩恵によりフランス、イギリスの王にしてアイルランドの支配者より、フランス王国の、その地所の全ての高位聖職者、貴族、公、伯、諸候、高貴なる者、庶民へ、これは誠の事実である。
 よく知られた事実として、良き思い出たる我が主シャルル、以前のフランス王はフランス王国の領土内で合法的に亡くなり、私はここで述べた主シャルルの姉の息子であり、王の死後、ここで述べている王国たるフランスは、これもよく知られている通り、後継者の権利によって私に譲られるものである。更に、フィリップ・ヴァロア卿は我が主シャルルの叔父の息子であり、私の方が血筋が近いのに、私が若い頃に神と正義に反して力ずくで王国を奪い、不法にその地位を保っているのである。
 私は今、善良に思慮深く成熟し、神と良き人々の中に我が信仰心を据え、前述の王国の政府の為にも我が義務として王位を奪還する。我々は彼が私に対する義務を実行することを望んで、丁寧かつ親切に接したが意志は確固としている。諸君が諸君の権利を否定することで私の意図を無に帰すことはない。なぜなら、我々は正義が行われることに、そして私の祖先たるフランスの聖王ルイの時代の良き法と慣習が再び取り戻されることに希望を持っているからだ。我々は貨幣の改悪や変更によって、強要によって、税の取り立てによって、我らが利益を追求して諸君の不利益になるようなことは望んでおらず、決して行わない。神に感謝するだけで我々の誠意を整え保つには十分である。我々も可能な限り、あらゆる特権や特許を緩和し、特に神聖なる教会を全ての力をあげて守護し、保持することを我が目標としたい。更に我々は、王国の経営に関わる活動を行う時、貴族や高位聖職者、高貴なる者、他の賢者などの良き助言に従い、前述の王国の良心に従い、不当な速度で、或いはわがままを満足させるためだけに、いかなる事も実行したり、着手しない。そして、私は再び言う。私の大いなる望みは私や良き人々を通して神が働きかけ、キリスト教徒、特に諸君の周囲に平和と愛がもたらされ、キリスト軍が急いで聖地へ行き、邪悪な者共から聖地を取り戻すことである。神の助けにより、我々はそれを熱望する。
 そして、我々は前述のフィリップ卿に分別ある和平の提案を幾度がしたが、彼は嫌々我々へ同様の提案をし、我らの他の地で我らに対して戦争を始め、力でもって我々を撃ち破ろうとした。そこで、我々は我ら自身と我が権利を守る必要があった。我々は人々の死や貧困を求めない、むしろ我々は人々や人々の財産を保護することを望んでいる。
 我らの善意と愛情ある希望と布告を理由に、我らへ最愛にして誠実な民として接する前述の王国のあらゆる状態の全ての人々は神と我らに正義があると考え、それによって私を正統な王と認め、そして現在から次に来るイースターの祭日の間に我らの和平を受け入れ、我らの特別な保護と守護を受け入れて我らに対する義務を果たし、以前我らに抵抗して様々な方法で失った物品や怪我を除いて、自身の動産や不動産を完全に享受できるだろう。我らは、我らが実行可能な分別をわきまえたあらゆる方法で諸君を保護し、守護することを望んでいる。
 そして、上で言ったことは諸君達一人一人へ通達することは容易にはできないので、我らは布告を公開し、教会のドアや他の公共の場所にこれを表示する。それで全ての注目を集めさせ、我らに誠実な支援者を安心させ、我らに対して反乱を起こしている者に恐怖を与える。そこでこの事について知らぬ者が将来に渡って無きよう懇願するものである。
 フランスにおける治世初年度、イギリスにおける治世14年目(1340年)の2月8日にヘントで布告するものなり。

「Clifford.J.Rogers編 The Wars of Edward III BOYDELL 1999」80から81頁より翻訳

表紙へ  英仏の闘争へ

inserted by FC2 system